ファッション史の入門書
おすすめの本
5冊
あたらしい近代服飾史の教科書 衣服の標本で見る、着るものの歴史と文化
編集部の評価:93/100
長谷川彰良/翔泳社
昔の服を、形だけでなく仕立てや裏側まで観察したい人。衣装を描く人にも。
内容・選ぶ前の確認
18世紀半ば以降の西洋衣服を写真と分解標本でたどる。縫い目や装飾を見ながら、服の構造と時代の変化を結びつけられる。
選ぶ前に確認:近代西洋の衣服に対象を絞った448ページの本。世界各地や現代ファッションまでの通史を求める場合は別の概説書も必要。
評価の理由:衣服の構造と細部を写真で学ぶ目的に強い。近代西洋に範囲を絞った大部の本。
出版社の紹介AMETORA 日本がアメリカンスタイルを救った物語
編集部の評価:89/100
デーヴィッド・マークス/奥田祐士(訳)/DU BOOKS
アイビーやジーンズなど、日本のメンズファッションが育った背景を知りたい人。
内容・選ぶ前の確認
輸入されたアメリカの服装が日本で研究・再解釈され、独自の文化になる過程をたどる。ブランドだけでなく雑誌や仕掛け人の役割にも目を向けられる。
選ぶ前に確認:408ページの読み物で、コーディネート写真集ではない。細かな文字と情報量の多さを負担に感じる読者もいる。
評価の理由:日本のメンズ服飾文化を取材からたどれる。文章量が多く、じっくり読む人向け。
出版社の紹介東大ファッション論集中講義
編集部の評価:87/100
平芳裕子/筑摩書房
服の流行を、社会・文化・歴史から考える入口が欲しい人に。
内容・選ぶ前の確認
衣服の成り立ちから近代の産業、日本の洋装化などを12のテーマでたどる講義形式の本。用語や関心のある問題を見つけ、次の読書につなげられます。
選ぶ前に確認:服の形や最新の流行を詳しく解説する本ではありません。論点の切り替わりが速く、一つのテーマを深掘りするには追加の資料が必要です。
評価の理由:歴史と社会を結びつける入門講義。広く見渡せる反面、各論は短い。
出版社の紹介20世紀ファッション 時代をつくった10人
編集部の評価:85/100
成実弘至/河出書房新社
デザイナーの仕事を、その時代の社会や文化と結びつけて知りたい人に。
内容・選ぶ前の確認
10人のデザイナーを取り上げ、20世紀の服と社会の関係をたどる文化史。服の形だけでなく、流行が生まれた背景から読む本です。
選ぶ前に確認:具体的な服のディテールや造形の分析を期待すると物足りない場合があります。着こなしの実用書や図鑑ではありません。
評価の理由:文化とファッションの関係を読みたい人に。服そのものの造形解説は控えめ。
出版社の紹介図説 ヨーロッパ服飾史(2010年版)
編集部の評価:82/100
徳井淑子/河出書房新社
絵画や写真を見ながら、ヨーロッパの服と文化の関係を概観したい人に。
内容・選ぶ前の確認
男女の衣服の移り変わりや、色・模様・下着などを取り上げる図説。見た目の違いが生まれた背景を、歴史や社会と結びつけて読めます。
選ぶ前に確認:改訂版が別に刊行されており、このリンクは2010年版です。カラーとモノクロの図版が混在し、各時代の詳しい解説より全体を見渡す構成です。
評価の理由:図版から欧州の服装の変化をつかめる。2010年版で、一部図版はモノクロ。
出版社の紹介選ぶときのポイント
対象地域と年代
日本の服飾史と西洋の服飾史では扱う衣服が違います。通史で全体を知るか、特定の時代や地域を詳しく読むかを先に決めます。
服飾図版の充実度
形や素材の違いを知りたいなら、衣服全体と細部の両方を載せた本が候補です。絵画、写真、実物資料のどれを使って説明するかも見ます。
用語解説の細かさ
衣服の部位や技法の名前に図が付いていると、初めてでも形を想像しやすくなります。索引があれば、後から用語を調べる際にも使えます。
購入前の確認
- 関心のある時代が含まれるか見る
- 索引と年表の有無を確認する
- 版型と図版サイズを確かめる